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気候変動アクションを学ぶカンガルー島SDGsスタディツアー

2018年夏 ・・・ 気候変動(地球温暖化)を否応なく感じるほどの酷暑でした。

気候変動は、各国の共通目標である持続可能な開発目標(SDGs)の13番目に
「気候変動に具体的な対策を」として掲げられています。

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ただ、国連が「いざ、アクション!」といっても、学生には地球規模の課題に対してどうアクションを起こしていいのやら、ピンとこないというのが正直なところらしい。一市民として、一学生として、何ができるのか、どこから始めたらよいのか、なかなか想像し難いとのこと。

ということで、国連が言うところの気候変動実践(ACE:アクション・フォー・クライメート・エンパワメント)を具体的に学ぶためのスタディーツアーをオーストラリアのカンガルー島で開催する運びとなりました。

カンガルー島はオーストラリアの最南に位置する4400km2の、東京都の2倍ほどもある大きな島です。オーストラリア南部の主要都市であるアデレイドからプロペラ機で30分ほどで到着します。

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出迎えて下さったのはボブ&ジェニー・ティーズデイルご夫妻。

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ユネスコの仕事を共にしてから19年になる盟友です。
文字どおり、「平和とサスティナビリティ」のための人生を捧げてきたご夫妻で、
フリンダース大学を退職後、カンガルー島で1万本の植樹を自らの手で行い、
広大な敷地の中のエコ・ハウスを営んでいます。
人生の集大成として、サスティナビリティを自ら生きておられるご夫妻です。

ツアーは、地球規模課題とはいえ、一人でも家庭でも学校でも職場でもできる対策(国連等では「緩和と適応」と呼んでいます)は山ほどあるということ、そして地球規模とはいえ、日常感覚で無理なく誰でもできる工夫(リサイクル等)があることを実感してもらうように組み立ててみました。

島に到着して2日目から早速、気候変動への具体的なアクションについて調査し、インタビューを重ねていきました。カンガルー島でのアクションの分野は、衣服・食と農・エネルギー・教育・ライフスタイル・市政など、市民生活から行政に至るまで多岐に渡りますが、世間一般では気候変動の主要因であるCO2を大量に排出している分野ばかりです。

まずは普通の街のお店の日常からスタート。
キングスコートという島内で一番大きな町のオプ・ショップ。

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この名前はOpportunity Shopの略称で、チャリティー・ショップと同義。
お店では要らなくなった衣類を集め、安価で売ったり、途上国支援として海外に送ったりしています。

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お店の前でのスタッフさんへのインタビュー。

ファッション業界は、第二のCO2排出業界というデータもあるほどに大量生産・大量廃棄の世界。学生たちも普段はそんなことは意識せずに、ファッションを楽しみ、消費してます。そんな「当たり前」に対するオルタナティブのひとつがオプ・ショップ。学校や大学でもできそうです。

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インタビュー後、すぐ隣の街の人気カフェへ。
ここではタンブラーを持ち込めば、50セント(約40円)割引きとなり、なみなみとコーヒーを注いでくれます。カフェは一人の時間を過ごすというよりも、市民の団らんの空間。学生らと大笑いしているのは、島で長年スクールバスの運転手をしている陽気なおじさん。島中の子どもたちの成長を見守っているそうです。

お次は、街中のアート・ギャラリー。
ここのお店のユニークなところは「サスティナビリティ」をテーマにして、島のアーティストの作品だけを集めているところ。アーティストが絶滅する動物や破壊される自然の「声」を聴いて、表現した作品が所狭しと並んでいます。

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生まれたてのカンガルーの鋳造作品。

オーナーのフレッドさんは、自身の中にアボリジニの血が8分の1流れていることを誇りに思っている銀細工作家でもあります。学生たちのインタビューにも快く引き受けてくださり、後述の発表会にも来てくださいました。

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ギャラリーの一枚(作者不明)
豪州に滞在中、カンガルーの瞳を見ると、寂しさが映し出されていると幾度か聴いたことがありますが、人間とカンガルーの関係性は学生たちも考えさせられたトピックです。

翌日は、いよいよ調査の要とも言えるエコ・ハウス。気候変動への適応と緩和が徹底して造られた建築です。ここで食するものはお肉や香辛料以外は全て美しいお庭から。電気も水もお天道さまから。サスティナビリティの要素として美(アート)も不可欠なものとして随所に内在している居心地のいい空間です。

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実際に、ここの生活でのプラスチック問題など、日常生活の「妥協」点についても学びました。自然界に、地球に、上手に迷惑をかける暮らしとは・・・ 考えさせられます。

食事の後は大自然の中で一人で過ごす時間。
「たまには地球のことを考えよう」という主旨のもと、エコ・ハウスから車のクラクションが聞こえるまで誰一人として見えない場所で一人で過ごす体験ワーク。ジェニーの発案で、一人ひとりが「HAIKU」を創りました。

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目の前には、エコハウスの前のペリカン・ラグーン。
聞こえるのは風の音だけです。

自分ならではの俳句とともにエコ・ハウスに帰ると、ボブとジェニーがカンガルー肉のバーベキューを作って待っていてくれました。ジャンプで鍛えられているシッポが一番美味しい部位だとか・・・。

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ジェニーのご馳走はカンガルーミート以外は全てご自宅のお庭から。

ちなみに、2009年にカンガルー島で初めてスタディツアーを実施した時に、当時の参加学生が寄贈した地元の苗が2メートル以上もの樹に育っていました。

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「明日の森」と名付けられています。

さて、調査をしたキングスコートという島内最大の街やエコハウスは島の東側にあるのですが、大自然の残るのは東側。島の全容を掴むためにも、1日かけて車で島を横断する日を作りました。

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まず寄ったのはシールズ・ベイ。
アザラシが陸海空から保護されている特別区です(空は飛行に対する制約)。専門家のガイドでアザラシの近くで、人間と動物との「距離」の重要性について学びました。

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かつては流れ着くプラスチックごみで命を落としていた動物たちの数もここ数年で市民や漁師の意識改善で相当に減ったそうです。

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シールズベイの生態系保全センターとしてのビジョンは徹底されていて、動植物への接しかたのみならず、歩道の素材からお土産まで環境に配慮されたものを使用していました。

たまには観光を!
島の西端にある有名な奇岩(リマーカブル・ロック)にも立ち寄ることがかないました。
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時間なく、短時間の滞在だったのが心残りですが、次は観光客として来てほしい・・・。

学生は(大人も?)、たまには弾けます!
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西端への旅の最後は、実にのどかな動物園。
ここにはコアラなど、もともとカンガルー島に棲息していなかった動物もいます。エコ・ハウスで遭遇した老カンガルーとはレスペクトの距離をとった学生もここでは小さなワラビーに癒されています。
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ハードスケジュールの中の、いっときの癒しの時間でした・・・

また、日を改めて道中で寄ったのが「ペティート・プロヴァンス」。
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小規模なローカル・ビジネスの事例です。土というよりも砂に近い土地にあえて挑み、
有機野菜や養蜂を小規模で作っているファミリー・ビジネス。食・水・電気など、
気候変動の観点からは100点満点の実践です。フードマイレージはほぼゼロ! 
フードマイレージという言葉は似合わず、「フードメートル」なら測れるとのこと 笑)

ビジネス関連では、日本に大量の菜種油を輸出している大規模ビジネスの農場も訪問しました。島内の傾向として、「ペティート・プロヴァンス」とは反対に、大規模ビジネスの経営者は気候変動に懐疑的な人が少なくないようです。地球温暖化などは人間がとやかく言う問題ではなく、神のみぞ知る領域なのでとりたててアクションは不要だという立場です。

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菜種油の大規模農家さんでインタビューをする学生たち。

ただ、インタビューする学生たちの姿に「何か」を感じたとわざわざ電話をボブにしてきた年配の経営者もおられたようで、「価値変容は日本の学生側だけでないようです」と最終日に彼から伝えられました。

また、島のエネルギー政策の象徴とも言える、市長もご自慢の空港も改めて訪れました。
空港内のエネルギーを全て自前で創出しており、コミュニティのイベントホールとしても活用できるように設計されています。
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左手奥にあるのが太陽光パネル。

ロビーには、環境保全をテーマにした島内のアーティストによる作品が展示・販売されています。
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作品の一つ「声なき声」。島で拾われた海洋ゴミから作られています。

ところで、晩は、お金を節約するために、滋賀県立大学の木村裕先生とコックに化けます。
一応、地元素材と栄養を考えて作ります。ムール貝は超安価で美味!
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ふたたびキングスコートに戻り、街中の気候変動アクションの調査。
待望の初等・中等学校KICEの訪問。東京の2倍の広さがあるのに、カンガルー島にある学校はキングスコートの1校と分校が2校のみ。その学校を訪問し、気候変動への学校の取り組みと気候変動学習の成果を見せてもらいました。

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低学年が制作した海洋プラスチック問題のビデオを鑑賞。

「あなたは毒を食べたいですか!?」というメッセージを盛り込んだコマドリアニメ。
ストーリーが明快で国連のビデオよりも説得力がありました!

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上級生は、アウトドア活動も全て自分たちで考案し、人間が自然に与える影響(ヒューマン・インパクト)や自然との共生について考察しています。日本の高校生と同い年なのに、あまりの成熟ぶりに、学生たちは圧倒されてました。

キングスコートでの調査のクライマックスは救急隊事務所。
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広い島では消防隊や救急隊はプロの医師らだけではまかないきれず、市民からボランティアを募り、特別な訓練を施して、人命救助などにあたっています。

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救急隊チーフより、島の持続可能性にとって緊急活動がいかに重要かの説明を受け、
実際に救急車も見せていただきました。実物大の人形を使った救援活動疑似体験は実に新鮮でした。

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また、市役所の環境保全担当者より気候変動に対する島の政策と実践をツーリズムと農業に焦点を当てて説明を受けた後、市庁舎に招かれ、市長自ら、カンガルー島の気候変動指針や展望を解説してもらいました。同島は、資本主義の時代は終わり、環境保全を優先すべきという観点から、本土からのブリッジを架けるという提案を拒絶したという経緯があり、市長はデンマークの自然エネルギー100%のソムソ島のようなモデルの島になりたい、という意向を表明しています。

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市長にお礼を伝える学生チームのリーダー。

1週間に及んだ24カ所に渡る訪問地の最後は、ごくごく一般のご家庭。
いかに普通のご家庭が気候変動に普段着で適応し、緩和をしているかについて学びました。お招きいただいたのはキングスコート郊外で暮らすベェヴさん一家。ご夫妻の二人暮らしですが、市民を招いた週末の映画鑑賞会を開くなど、とても開かれたお家です。

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家庭菜園で採れた有機野菜をたくさんいただき、インタビューし続けたエキスパートを招待する日本の夕べの食材に使わせていただきました。エネルギーも建材も水も食も無理なくCO2排出に配慮した設計になっています。
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最後は、学びっぱなしはよくないということで、何を学んだかを地元の人々に英語でお伝えする報告会をホテルの顧問ルームをお借りして開催。市長ご夫妻はじめ、インタビューした方々が聞きに来てくださいました。

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写真は、人間と動物との「距離」を類型化して発表した場面。
エコ・ハウスで遭遇したカンガルーへのレスペクトと動物園で餌を手に触ったカンガルーとの関係性を比較考察しています。

発表後には、簡単な手料理で 〈日本の夕べ〉 を開始し、謝辞を伝えました。
ちなみに「日本の夕べ」のメニューは、蒸しムール貝、サーモンのホイール包み、
ちらし寿司、アボガドのにぎり、鳥の甘煮、有機野菜サラダ・・・ 等々。

カンガルー島滞在中は、夜な夜なラップアップと呼ばれる振り帰りの会を持ちました。
その日に体験したことの中から最も印象深かった人や言葉や光景を一つ選んで共有します。
ラップアップもいよいよ最終回。涙&涙の振り返りの会となりました。
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発表で成功を収めた学生たちは、翌朝、ボブとジェニーに空港で別れを告げ、アデレイド経由で帰国の途につきました。

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空港のポスターのメッセージが目にとまりました。
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人生で本当に大切なものを発見する島・・・ 空港をはじめ島で時折見かけたフレーズです。今回の旅を象徴するような言葉かもしれません。

ちなみに、虹と大地との接点を見れたのもカンガルー島ならではの体験でした!

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〈おわり〉
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持続可能な未来への学び: スリランカの子ども達とのコラボレーション

遅ればせながら、2017スリランカ・スタディツアーの様子をお伝えします。
クリスマス前の発表会を前に、焦って記録を見直しているような体たらくです・・・。

昨年に続き、今年も授業「発展途上国における教育問題」の一環として実施される
海外スタディツアーの訪問地はスリランカでした。

ただし、滞在先の小学校は、世界遺産で有名なシギリヤの田舎の小学校に変更。
学生たちが決めたテーマは「再生」(re-generation)です。
大量生産・消費・破棄を繰り返す現代社会を見直すためのSDGs(持続可能な開発目標)へのチャレンジでもあります。



上の写真は、コロンボの空港に到着した直後のバスの中。
エネルギーがありあまっています・・・。バスに乗った瞬間に爆睡というふうに変わる旅の後半の写真と比べてみてください!

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空港から4時間ほどかけてシギリヤに移動し、2日目の朝。ホストの小学校で出迎えてくれたのは地元の子ども達。可愛い小学生が夏休みにもかかわらずシンハラ語の歌をうたって出迎えてくれました。

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まずは、打ち解けるためのアイスブレーク。
学生が選んだゲームは「ダルマさんが転んだ」でした。
けっこうウケてました。

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そして、シッポ取りゲーム。
子どもみたいにはしゃいでいたのは、大学生の方かもしれません・・・。

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学校での初日から、持続可能性と再生を考え、行動するワークショップの開始です。
こちらも教室内でのアイスブレークの様子。

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資源を大事にするリユースなどの '3Rs' はなぜ大切か ・・・ 日本式の紙芝居で伝えてみました。

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スリランカの公立小学校の教室内にはブッダの像が描かれていることも珍しくなく、仏様に見守られながらのワークショップでした。

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スリランカではココナッツ殻が大量に捨てられています。
使用後のココナッツ殻を活用して、学生が考えたのはキャンドル立てとフォトスタンド。
さらに、要らなくなったTシャツを利用したエコ・バッグも作りました。

そして村での発表会。
あいにく雨模様となりましたが、多くの村人が傘をさしながら、子どもと大学生の発表を聞いてくれました。

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毎晩、ラップアップ(ふり返りの会)をします。
時には、反省だらけで落ち込むこともあります。
教室で習った理論のようにスンナリいかないのがリアリティ。現場は予期せぬことの連続です。でも、学生は必ずと言ってよいほどに、バウンスバック(跳ね返し)を見せてくれました。

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夜な夜な翌日の準備に勤しみ、渡航前から準備に追われていた学生たちへのご褒美は、地元の岩山登山と頂上からの洛陽。

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360度、スリランカの大地を見下ろせます。

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実は、この岩山の向こうに見えているのは世界遺産のシギリヤ・ロック。でも、世界中からの観光客で混み合っています。一方、こちらのピドゥランガラ山は観光客が少ないだけに、頂上で出会った人どうし仲良くなり、会話も弾みます。写真はイタリアから来たカップルやスリランカの人々らとのワンショット。

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全力を出し切ったシギリヤともお別れし、バスで南下。
学生らは、乗車後、即爆睡。

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スリランカで最も優秀なペラデニヤ大学を訪問した後、地元の幼稚園で青年海外協力隊委員としてご活躍の佐田知子さんのお話。真剣な眼差しで拝聴している学生たちからも、近い将来、スリランカの協力隊委員になる卒業生も出てくるのでしょうか。

最終日前日に、高原列車に乗って高質な紅茶で知られるヌワラエリヤへ移動。

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紅茶工場を改良したホテルで一泊。

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サリーを着て、茶摘みも体験しました。

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いよいよ、最後のラップアップ。
スリランカでの日々を振り返り、新しい世界との出会いや自己発見など、仲間と分かち合いました。

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今回も、一人ひとりの変容の物語りが生まれました。
教室ではなかなか実現しない深い次元での変容です。

今週の水曜日(12/20, 18:30 - 20:30)に、聖心グローバルプラザ(4号館2階)にて報告会が開かれます。学生たちは、それぞれの「変容」とは何かについて語ってくれるでしょう。
ふるってご参加ください!

岡山市が「ユネスコ/日本ESD賞」を授賞した〈もう一つの理由〉

毎年、3ヵ国の団体に授与される「ユネスコ/日本ESD賞」。

第2回目の授賞団体は、カメルーンのCBO(地域に根ざした組織)と
イギリスの高等教育支援組織と日本の地方自治体であった。

日本からの授賞団体は岡山市(岡山ESD推進協議会)。
とてもおめでたいことであり、後述のとおり、その理由も素晴らしい。

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しかし、同市の授賞以来、どことなく、公式文書に書かれている理由以外に、
別の理由があるのではないか、という想いが頭の片隅から離れなかった。
岡山市が「ユネスコ/日本ESD賞」を授賞した本当の意義とは、何だろう・・・。

ちなみに、ユネスコは「市をあげてESDを推進(whole city approach)」したから、
と理由を伝えている。ぼくもメンバーの一人であるESD賞国際審査委員会でも、
そうした評価だった。

国際賞というと、貧困からの脱却とか、災害からの回復とか、現実を変えたような
センセーショナルな功績が讃えられることが少なくない。

でも岡山には、目立った貧困も自然災害も皆無に等しい。
そうした街がなぜ授賞したのかは、一見、分かりづらい。
その意味で、岡山市は選考過程において不利な立場にあった
という見方もあながち誤りではない。

今月、岡山市ESDフォーラムの基調講演者として呼ばれ、
高校生から公民館関係者まで、当地のESD関係者の方々との
交流を重ねて、もう一つの授賞理由はやはりあったのだ、と確信するに至った。

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ひと言でいえば、この授賞は、普通の人々による普通の人々のための不断の努力への賛辞である。日常を大切にする人々の日々の努力の積み重ねが評価されたのだ。

その意味で、日常生活の営みの基層に持続可能な未来への価値観やスピリットを染み込ませようとしてきた市民と行政の持続的な努力に対する授賞は、世界の9割の人々に向けられた特別なメッセージなのである。とりわけグローバリゼーションと言われる世知辛い時代において、そうした努力は国境を越えて大切な学びとは何かを諭してくれるに違いない。

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5人の異なる大陸から選ばれた委員から成る国際審査委員会では、自国の申請については原則、コメントを避けるという暗黙の了解がある。他の委員と同様に、ぼくも、審議中は、国際審査で日本の申請内容についてはノーコメントを貫いていた。

ただし、何か質問をされた時は回答してもよいという、もう一つの暗黙の了解があり、昨年のユネスコ本部での審査時に、岡山について、どんな持続不可能な問題があるのかと、ある委員から質問されたことがあった。その時、次のような返答をしたのを覚えている。

「確かに世界的に見れば、岡山は持続不可能性と〈闘う〉都市ではないでしょう。でも、そこには放っておいたら大きくなってしまうかもしれない〈小さな持続不可能性〉が普通にあり、その一つひとつを市民が行政と手をたずさえて達成感や幸福感に変えていっている。日常の幸せのためのシームレスな努力がコツコツと重ねられている街なのかもしれません。」

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教育の仕事に携わる妙味は、こうした日常の営みに寄り沿えることなのかもしれない。この授賞は、賞を授ける側の方が学ばせていただいたような気がする。世界中の人がぜひとも岡山を訪れ、普通の人々による普通の人々のための普通の学びの真価を実感してもらいたいと思う。持続可能性や平和とは、こうした不断の営みの延長線上にしか実現できないはずであろうから。

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岡山の皆さん、あらためて心よりお祝い申し上げます!

未来形ESD ー アシュレイ校の挑戦 ー

英国サリー州に「ハーモニー」という標語のもとに、持続可能な未来につながる教育実践で注目されているアシュレイ小学校(Ashley Primary School)があります。

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傍から校舎を見ると、イギリスの普通の公立学校ですが、この内で起こっていることは革命的とも言える教育です。実際に「持続可能性(サスティナビリティ)革命」と呼ばれていて、カリキュラムのみならずエネルギーや食など、学校生活のあらゆる側面において持続可能性が見出せる「ESD(持続可能な開発のための教育)実践校」です。

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校長先生は、リチャード・デューンさん。

全校生徒にコンパスを提供し、三度の飯よりもコンパスの好きな校長さんです。(なぜコンパスか、は後述)

「革命」が始まって間もなく、学校はみるみるうちに変容しました。その変容ぶりは、よく言われる学校改善や授業改善とは対極とも言える「変容」なのかもしれません。一時の学力向上とかではなく、先生も生徒もハッピーになり、生涯、自ら学びを楽しんでいけるような基盤づくりが行われるようになったのです。

2016年2月には、チャールズ皇太子が同校を訪れ、皇太子ご自身が提唱する「ハーモニー原則」が唯一、現実のものとされている学校であると賞讃されるまでになりました。

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(写真提供:Ashley Primary School)

2015年には環境問題に取り組む優良実践校として英国で「エコ・スクール代表校」に選出され、2016年度には英国を代表して「ユネスコ・日本ESD賞」の審査対象校に選ばれています。

同校で15年間、校長先生を務めるリチャード校長がユネスコ・アジア文化センターの招へいでこの11月に来日し、同月20日には日本国際理解教育学会及び聖心女子大学大学院の共催で参加型セミナーが開かれました。

当日は、まさにリチャード校長が唱える「サスティナビリティ革命」が起きたと言えます。多くの参加者に深い次元で変容をもたらしたような時間でした。セミナーが終了した翌朝、参加した方々から「いろいろ揺さぶられ、たくさん刺激をもらいました」や「公立校の制度は日英で異なるけれど、知恵と勇気をもらった」「公立でももっとやれることがある」「沈黙の時間など、直ぐにでも実践したい」「自分の深いところに届いたメッセージだった」等々、という丁寧な感想メールをいただきました。

その一端ではありますが、ここに当日のセミナーの概要をお伝えします。セミナーのタイトルは「持続可能性を学びの真ん中に置こう(Putting Sustainability at the Heart of Learning)」です。

1. Introduction – Minute of Silence 沈黙の時間
アシュレイ校は特定の宗教を教えてはいないのですが、子ども達の精神性や心の安定をとても大切にしています。そうした姿勢の現れが、授業の前の「沈黙の時」です。子ども達は、ほんの数分の「沈黙の時」を経ることで休み時間の慌ただしさから集中が求められる学習の時間へと移っていきます。実際に、今回のセミナーでも体験してみました。

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* 以下、セミナー当日に使用されたパワーポイントの一部をリチャード校長の了解のもとに借用し、レクチャーの概要をかい摘んでお伝えします。

2. Richard’s Journey So Far リチャード先生のこれまでの「旅」
リチャード校長の教育観というか、人生を変えたのは2度にわたる南極旅行でした。南極に行き、ペンギンなどの生態系の変化や溶けていく氷山を目の当たりにして、自分の足下、つまり学校から変えていこうという決意に至ったのです。以来、エネルギーや食の大切さを教室内で教えるのみならず、学校の在り方そのものを持続可能にしていく方向に舵を切っていきます。

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3. The State of the World 危機に瀕する世界の現状
私たちの世界は徐々に危機に瀕しています。温暖化や生物多様性の喪失など、経済成長の成れの果てに地球は徐々に蝕まれているような状態にあるのです。気候変動はその最たる現れである、とリチャード校長は捉えています。

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4. A Values Culture 価値の文化
そんな中、教育でもっとも大切なのは、持続可能な未来へとつながる価値観を養うこと。アシュレイ校では「自由」や「希望」「公正さ」「簡素」「信頼」「責任」など、沢山の価値観を大切にしています。ところが、これらの教え方は伝統的な道徳教育とは全く異なる方法によります。つまり、7つのハーモニー原則をカリキュラム全体に織り込む(染み込ませる)ことによって子ども達の道徳(倫理)観を育んでいるのです。

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5. Nature’s Principles of Harmony 自然界のハーモニーの原則
アシュレイ校の子ども達は以下に述べる「7つの原則」をじっくりと学んでいきます。ここで強調されるべきは、持続可能な未来にとって大事な諸原則はいずれも自然界に見出せるということです。これから示す7原則は自然界や宇宙の摂理であるとも言えるでしょう。

6. The Principle of the Cycle 循環の原則
世の中は循環(サイクル・サークル)に満ちています。食や水、季節、我々の血液はどれも巡り巡っていますし、チョウもカエルもサケも、皆、循環の中で生きています。

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教育で大切なのは、こうした循環を教室で知識体系として覚えることというよりも、学校生活全体の中で生徒たちに五感で感じ取らせることだと、リチャード校長は言います。したがって、アシュレイ校では、食の循環、つまり、子ども達は校内の有機野菜畑で採れたものを食べ、残った食べ物は堆肥にし、再び野菜を育てています。

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7. The Principle of Interdependence 相互依存の原則
アシュレイ校で相互依存を学ぶ一例は養蜂の実践です。ハチについて、ハチと共に、子ども達はハチと植物(受粉)、ハチ同士、ハチと人間が共存していることを学んでいます。

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実際に、子どもは特別な服を身につけ、実際に蜂の巣を作る手伝いをし、蜂蜜を採取します。

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8. The Principle of Geometry 幾何学の原則
アシュレイ校ではコンパスを生徒全員に提供し、幾何学に親しませます。

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私たちの内と外に、壮大な天体から微生物に至るまで幾何学のパターンが見出せます。こうした「不思議」と出会う子ども達の想像力は尽きず、小さな水滴に地球を見、台風の渦と巻貝の形を重ね、天体の軌道と花の形状に相似性を見出します。

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実際に生徒たちにコンパスで2つの円から6つの円を描かせ、その中に見出せるパターン(模様)を自然界で見られるパターンと重ねていきます。一例ですが、二つの円が重なると魚の形が現れます。これはベシカ・パイシスと呼ばれる生命が生まれる形として知られ、自然界にも容易に見出すことができます。

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また、6つの円の真ん中に1つの円を置けば、6角形ができますが、これは花びらが作る形状と重なります。アシュレイ校の生徒たちは、コンパスを用いて創る形状と自然界のパターンとを重ね合わせ、センス・オブ・ワンダーを獲得していくのです。

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9. The Principle of Diversity 多様性の原則
アシュレイ校では、種から野菜、花に至るまで校内で育てるものの多くは多様な種から成ります。つまり、世の中は多様であることが自然であり、その方がしなやかで強いということを学びます。

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10. The Principle of Adaptation 適応の原則
現在の教育の問題点は、教科書に代表される標準(スタンダード)を重んじるがゆえに、子ども達の実際の生活から掛け離れたことをしばしば教えてしまうことです。アシュレイ校では、これを回避するべく、地域のホンモノと子ども達を積極的に出会わせます。例えば、有機農法の専門家や伝統的な技能をもった職員などに直接、子ども達と接してもらうのです。

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11. The Principle of Health 健康の原則
アシュレイの子ども達は皆、健康的で、元気一杯です。ランチには校内菜園で採れたての野菜を食べ、手づくりの料理で元気になります。子ども達に「健康な状態」とは? と尋ねると、「よき食べ物」や「奇麗な水」「適度な運動」「奇麗な空気」などのような身体に係わる答えだけでなく、「自分が価値づけられているとき」や「新しいことを学んでいるとき」「信じているもののために立ち上がっているとき」「他の人をケアしているとき」「何かを創造・想像しているとき」「自然とつながっているとき」など、心や精神に係わる答えもあげられます。これらは、実際にアシュレイ校で子ども達が実感しているから生まれる回答であると言えましょう。

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12. The Principle of Oneness ひとつながりの原則
最後に、以上の原則をひとつらなりにする原則、つまり「ひとつながりの原則」があります。これは、個人どうしが一体感をもって共生するのに不可欠な感覚です。ですから、このセミナーでも実際に体験したように「沈黙の時」を授業などのイベントの始めと終わりに行います。

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13. Sustainability and Leadership 持続可能性とリーダーシップ
アシュレイ校では、これらの原則を学びながら、全ての子どもがよきリーダーとして育まれていきます。そのリーダーシップの種類は実に多様です。

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例えば、
・エネルギーをモニターするリーダー
・残食を計量するリーダー
・水の利用に関するリーダー
・生物多様性プロジェクトのリーダー
・野菜等の生育・水やり・雑草抜きのリーダー
・校内リサイクルのリーダー
・遊びの時間とインクルージョン(包摂)に関するリーダー
・クリーンな旅行のためのリーダー

これらは日本だと「係」に相当しますが、いずれも地球規模課題が意識され、子ども達は地球の「守り手」「救い手」としての自覚をもっているところが決定的に違うのかもしれません。

14. Harmony Song – Belle Mama ハーモニー・ソング

「ひとつながり」をセミナー参加者みずから体験するように、ワークショップの最後に皆で、「偉大なる母」という歌を歌いました。

15. Conclusion – Minute of Silence 沈黙の時間

そして、最後はふたたび「沈黙の時間」を全員で共有します。

以上の内容を半日(4時間)でこなしたので、相当に濃い時間となりました。

さらなるアシュレイ校の実践や理論については、以下の同校のホームページ(英文)をご覧下さい:

アシュレイ校ホームページ(英文)

SDGsスタディツアー報告【速報版】

スリランカ中部のペラデニヤ市の街外れに小さな公立学校「ウダ・ペラデニヤ・スクール」があります。

かつては800人ほど生徒が通っていた学校ですが、村が少しずつ豊かになるにつれ、村人は街の学校(タウン・スクール)に子どもを通わせるようになり、近年は生徒が激減しています。

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生徒数は2000年代以後、徐々に減り続け、現在はシンハラ人とタミール人の貧困家庭の子どもら22人が通っています。スリランカは5歳時入学で、小学校が5年間、中学校が4年間、高校は2年間。ウダ・ペラデニヤ・スクールも1学年〜11学年までの、いわば一貫校ですが、少人数ゆえ3人前後の授業が大半です。

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この9月に学生10人と聖心女子大学の教員2人とで、さまざまな持続不可能性に直面する学校をなんとかサスティナブルな方向にシフトできないか、という構想のもとにスタディツアーを実施しました。心強いパートナーは、地元のペラデニヤ大学の大学院生(現職教員)の皆さん。

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学校訪問時にはスリランカの民族衣装であるサリーを必ず来てきます。スリランカの大学院で1年半、修士論文を執筆していますが、現職の小学校教諭でもあります。

大学院生らと決めたテーマは、日常の持続可能性。ゴミ問題をはじめとする環境汚染や食の安全などを題材に、未来の持続可能性と現在の持続不可能性を結びつけて、足下の日常生活を捉え直そうという試みです。

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ヒントにしたのは、昨年、国連で決議されたSDGs(持続可能な開発のための目標)。

SDGs(サスティナブル開発目標)

SDGsが掲げる17の目標を参考に、ゴミ(Waste management)、食(Sustainable Food)教育(Education for Sustainable Development)等にフォーカスを当てて、10人の学生たちが2ヵ月間かけて練った自主企画によって持続不可能性に挑みました。

年内に刊行予定の報告書にて詳細をお伝えしますが、ここでは「速報」としてゴミ問題に関する活動を紹介します。

スリランカの村を歩くとゴミが目に入ってきます。
目立つのはビニール類。道端や川岸に平気で捨てられています。

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それを日本から持っていったトングで子ども達と拾い、集めてみました。

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瞬く間に集まったゴミを学校に持ち帰り、先生の意見に基づき、①紙等の可燃物、②プラスチック・ビニール類、③堆肥になるオーガニック、という3つに種別します。

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いちばん多いのはプラスチックやビニール類。
なぜなのか・・・ 現代の生活についてクイズ形式で子ども達と考えてみました。

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それから、地元で買ったゴミ箱に、ゴミの種別ごとにカラフルな色づけを子ども達がしていきます。

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できました!

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チームごとに記念撮影。
子ども達は誇らしげです。

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同様に、食についても持続可能性という観点から見直し、安価とは言え身体によくない着色料等の使用しない伝統食にあえてこだわり、ホテルのキッチンとホールを借りて村人を招いたパーティを開きました。

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子ども達とはココナッツ等を使ったクッキーづくり。

以上のように、日常の持続(不)可能性という観点から学校生活全般の「あり方」を捉え直すために、楽しい劇や歌などを交えたワークショップをつづけました。が、ホテルに戻ると学生たちは、連日連夜、反省(猛省)会と打合せ、そして下準備に追われます。時には予期せぬしくじりから凹むことも・・・。

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たしかに細かな反省点は少なくないですが、すべて今後に活かせる修正点ばかり。全般的には、地元の方々やペラデニヤ大学大学院の皆さんにも高い評価をしていただき、現在は、いかにして今回の「はじめの一歩」を継続させていくかが課題となっています。

ここまで漕ぎ着けることができたのも、事前学習でお世話になった方々から度重なるご助言を受けることができたことと、ツアー初日にJICAコロンボ事務所で環境や教育等に関する丁寧な講義を受けることができたことが大きかったと言えます。充実した内容のお話をして下さった専門家の方々や現地のJICA職員の方々には感謝してもしきれません!

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さて、旅の最後の週末には、がんばった「ご褒美」として、世界遺産のシギリヤ・ロックまで足を伸ばし、夕日に皆で包まれました。

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この日、誕生日を迎えた学生には、岩上サプライズの ♪ハッピーバースデイ♫

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そして、サファリもおまけ。

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学生たちは、この上ない至福に浸っていたようです。

さて、今回は、学校での可能性をいろいろ試してみたものの、分厚い壁にも直面したツアーでもありました。人間が快適さや利便性を求めるがために、地球環境に過度な負荷をかけ、自らの健康を害するような社会の中に自分たちも身を置いているということに気づいた旅でもあったのです。

たとえば、ダイオキシンの問題・・・。

スリランカの村では、ゴミの回収もまだ普及しておらず、プラスチックは各家庭で燃やされ、発がん性のあるダイオキシンをはじめとした有毒煙が村の家庭を包むことは珍しくありません。あの屈託のない子ども達が通うウダ・ペラデニヤ・スクールも例外ではないのです。

学生たちの奮闘の旅はまだまだ続きます。

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